2 13-2:フラグメント
【紅玉の託宣】
パドラの比類なき英雄と謳われたカイアスは、時詠みの巫女に仕えた守護者である。不敗の伝説をもち、幾戦の敵と斬り結んでも倒れなかったという彼は、自身を「バラッド氏族のカイアス」と称した。だがその真の出自は不明である。(潮来梯)(2012/12/03 18:38)1 彼が「バラッド」を名乗るようになったのは、生涯でただ一度、敗北の危機を迎えた戦いからであった。相手は同じ時詠み一族の戦士で、カイアスに果し合いを挑み、あとひと太刀という間合いまで追い詰めた。だが不意の敵襲で果し合いは中止され、戦士は乱戦の中、巫女を庇って死んだ。カイアスは「死ぬべきは我、守護者カイアスだった」と好敵手を悼み、戦士の氏族名「バラッド」を引き継いだという。(潮来梯)(2012/12/03 18:38)