| ファントム・ゴッド「まさか この私が倒されようとは… さすがは あの方が 認めた者というべきか… お前…… いや…あなたを… 新しき 我が主(あるじ)として 迎えます マスター 秘宝は…あなたのものです」 アルル「これが… 秘宝？」 ファントム・ゴッド「そうです… これこそ古代魔導世界の秘宝 『セラフィム・オーブ』です 秘宝の主となった者の 意のままに 他人を従わせる力を持つ そして… 術者の魔導力にも 桁外れに増幅させる 触媒の役目も果たす魔導器です さぁ…どうぞ 手にお取り下さい」 アルル「………これを 手に取れば 何でもできるの？ ………人を…生き返らせる事も？」 ファントム・ゴッド「…と…言われますと？」 アルル「キミが 殺しちゃった… シェゾのことを 生き返らせる事が できるのかって 聞いてるのっ！ そりゃあ シェゾは変態で ヘンな奴だよ… でも 殺すことはないじゃない！ ボクは キミを 絶対に許さないから！」 ファントム・ゴッド「私は 旧文明が生んだ ガーディアン… 秘宝を奪おうとする 悪しき存在を 排除することが使命…… ですが… あくまでも 排除するのみ… 生命を奪ったことは 一度もありません」 アルル「…………へっ？ い…今…何て言ったの？」 ファントム・ゴッド「あの剣士にしても… 排除したのみで 殺してはおりません ただ あの剣士からは… 少なからず 闇の波動を 感じましたので 秘宝に関する 一切の記憶を消して 地上へ転送しておきました」 アルル「そ そうなの？ そうなんだ… ……ははっ… 良かったぁ〜 でも… そんなことは 早く行ってよね！ ボク 必死に キミと戦っちゃったりしちゃって バカみたいじゃない… まぁ いいやっ！ ……そうだっ！ ねぇっ キミ！ シェゾを地上に送ることが できたんだから… ボクを… ボクとこの部屋の外にいるルルーを いっしょに地上まで送ってよ！」 ファントム・ゴッド「わかりました…おやすい御用です」 アルル「それからねぇ……」 アルルとカーバンクル そしてルルーは 数々の冒険を 乗り越えて 魔導学校へ 戻って来ました 学校の生徒は すでに全員が ゴールしており 期末試験は とっくに終了していました サタンこと マスクド校長は アルルや カーバンクル そしてルルーが 全員無事だってことを 心の中で喜びました しかし 自ら作った迷宮の最下層で 「ばたんきゅ〜状態」に されたことに対して どうしても がまんならない彼は… アルルとルルーに 追試として『もっとスペシャルだんじょん』への 試験を受けることを 命じるのでした でも… アルルとルルーには 実は すでに いい成績がついています 古代迷宮を超えて戻ってきた アルル達の冒険が 一番大変だったことを 知っているのは… 他ならぬ 彼 マスクド校長先生なのですから… レッド・ルビー「それにしてもよぉ… 秘宝の権利を 辞退するなんてな」 ブルー・サファイア「フフッ… 変わったマスターでしたね…」 イエロー・ダイヤモンド「しかも 秘宝に関する自分達の 記憶すべてを 消してくれ…だなんて…」 グリーン・エメラルド「我々も 長い歴史の中で たくさんの人間と出会ったが… 人間というものが わからなくなった…な」 ファントム・ゴッド「あの少女「アルル・ナジャ」が 我らのマスターであったことは 事実だ… そして… 今後 世界という天秤の傾きを 左右するのは おそらくは あの少女の…… …………………………………………………… だが また…どこかで… 我らと 出会うような… そんな気がする… あの方と 同じように…な… しかし…… それは まだずいぶんと先の事…… 我らは 再び この空間を閉ざし… 新たな主(あるじ)の来訪を 悠久の時の流れと共に 待ち続けるとしよう… |