2006/3/8 「ルーティのひみつ」「キールのひみつ」「わたしたちのヒーロー」追加
2006/3/9 「アーチェのひみつ」「スタンのひみつ」「ウィス決定戦」追加
2006/3/11 「アイラのひみつ」「ファラのひみつ」「街角にて」「レストラン」追加


ミントのひみつ
クラースのひみつ
アーチェのひみつ
リオンのひみつ
ルーティのひみつ
チェルシーのひみつ
スタンのひみつ
セルシウスのひみつ
チャットのひみつ
アイラのひみつ
メルディのひみつ
クィッキーのひみつ
ファラのひみつ
リッドのひみつ
キールのひみつ
しんのしゅやく
ヒロインナンバーワン
だれが大人?
ぼくたちのマイホーム
わたしたちのヒーロー
宴会の夜
パジャマタイム
ウィス決定戦
街角にて
レストラン


ミントのひみつ

アーチェ
「うぅぅぅぅぅー。」

チェスター
「おいおい……泣いてんのか?明日は嵐だな。」

アーチェ
「だぁ!うっさい、うっさい〜!
チェスターだってこの本読んだらぜーったい泣くもんね!」

ミント
「あ!「ユークリッドの泣き濡れて」!」

アーチェ
「ミント、知ってんの?」

ミント
「はい、もちろん!恋愛小説の大家、ボロボア・シャムダールの最新刊でしょう?
彼女の「泣き濡れてシリーズ」は全館持ってます。
今回はキャベツを選ぶ時のクセがきっかけで食材屋と恋に落ちるんですよね。
それと、このヒロインは歴代の中で1番運動神経がよく、背も高いんですよ。」

アーチェ
「そ、そうなんだ……。」

クラース
「なかなかのマニアだな。」

ミント
「いえ、私は山で暮らしていたので、楽しみといえば行商人から買う恋愛小説くらいで。」

クラース
「だからつまり、マニアだな。」

アーチェ
「ってことはミントってば意外と耳年増?実践もがんばんないとね〜。」

ミント
「アーチェさん!」

アーチェ
「うしゃしゃしゃしゃ!」


クラースのひみつ

アーチェ
「クラース!これなーにー?」

チェスター
「さっき、森の中で拾ったんだけどよ。」

クラース
「ふむ、これは雷の精霊の力を利用したエレキギターという楽器だ。
私に貸してみなさい。」

アーチェ
「すごいじゃん……なんかうっとり。」

チェスター
「アンタにそんな特技があったとはな。」

ミラルド
「あら、なつかしい!」

クラース
「ミ、ミラルド!?」

ミラルド
「クラース、またバンドでもやるの?髪立てて、ばっちりお化粧もして。」

チェスター
「クラースが!?」

ミラルド
「そうよ。ライブでは空中ダイブなんかもやったっけ。」

アーチェ
「クラースが!?」

クラース
「忘れた!」

ミラルド
「またまた。クラースの縦ノリギタープレイって当時ちょっとした話題だったじゃない。」

クラース
「記憶にない!」

ミラルド
「なによ!青春の思い出になるぞ!なんて人を勝手にマネージャーにしたくせに……。
ぜんぶ忘れたっていうの?」

クラース
「だぁ〜もぅ!それ以上バラすなと言っとるんだ!」

チェスター
「青春の……。」

アーチェ
「思い出だって!くっさ〜。うしゃしゃしゃしゃっ。」


アーチェのひみつ

ミント
「やっと……会えますね。」

クレス
「うん。なんたって百年ぶりだ。」

チェスター
「……アーチェ……。」

アーチェ
「いったぁ!
ったく、どこ目ぇつけてんのよー!」

チェスター
「ア、アーチェ?」

アーチェ
「ありゃりゃ?チェスター!?クレスに、ミントも!」

ミント
「お久しぶりです、アーチェさん……。」

アーチェ
「うわ、やばやば!
ふぅ、危なかったー。」

クレス
「アーチェ、あの人に追われてるのかい?」

アーチェ
「これがまた、しつこくてねー。」

チェスター
「ど、どういう関係だよ!?」

アーチェ
「えーっと……金融関係?」

ミント
「アーチェさん……まさか……借金されているのですか?」

チェスター
「んだとぉ!?」

アーチェ
「あ、あははははは!
だってさ〜、みんな来るの遅いんだもん!退屈じゃん?
だからポーカーと競馬を少々……ね!」

チェスター
「借金取りに追われるくらいハマっといてどこが少々だよ!バカ!」

アーチェ
「だって……寂しかったんだもん。バカ!」

チェスター
「……。」


リオンのひみつ

ルーティ
「はぁー!ここんとこ戦闘が続いたからなんか疲れちゃった!」

フィリア
「疲れた体には甘いものが良いそうです。」

ルーティ
「じゃ、さっきの屋台に行かない?手作りプリンが売ってたわよ♪
あたし、プリンってわりと好き!」

フィリア
「私も好きですわ。」

ルーティ
「やっぱり!美味しいよね!!リオンもそう思うでしょ?」

リオン
「……思わん!あんな甘ったるいモノ子供の食い物だ。」

ルーティ
「自分だって子供じゃないの。」

リオン
「なんだと!僕はプリンなんかもう何年も口にしていない!!
匂いをかいだだけで不愉快になる!だいたいプリン食うヤツにロクな――。」

ルーティ
「はいはいはいはい。わかったわよ。」

フィリア
「では、プリン以外の何か甘いものを探しましょうか。」



マリアン
「あらリオン!おかえりなさい。
お約束のアレちゃんと作ってありますからね。」

フィリア
「アレ?」

マリアン
「えぇ、リオンの大好物!特大プリンの生クリームたっぷり添えです。」

リオン
「マ、マリアン!僕はプリンなんか……。」

マリアン
「だいじょうぶ。卵はリーネ製ですし砂糖はジェノスで買ってきました。
リオンのこだわりを知ってますもの。」

リオン
「……ありがとう。」

ルーティ
「むっふっふっふ。リオ〜ン?プリンはお嫌いじゃなかったの〜?
うわ〜!ティアラが〜!」


ルーティのひみつ

ルーティ
「サーチガルド!サーチガルド!」

リオン
「いつまで探してるつもりだ?もうレンズもガルドも根こそぎ拾ったろ?」

ルーティ
「うっさいわねぇ!もぅ落とし物したのよ!」

フィリア
「まぁ!何を落とされたのです?私達も一緒に探しますわ。」

ルーティ
「え……い、いいわよ。」

リオン
「おまえが遠慮するなんて気持ち悪いぞ。」

ルーティ
「なにアンタまでしゃがんでんのよ!いいってば!ホントに!!」

チェルシー
「はーい!コレ、そこの草むらで見つけましたぁ!」

リオン
「ずいぶん分厚いノートだな。」

フィリア
「にっきちょう……と書いてありますね。」

ルーティ
「うわああああああ!見ないで!!」

リオン
「おまえ、日記なんてつけていたのか?似合わんな。」

チェルシー
「日記帳っていうよりおこづかい帳なんじゃないですかぁ?」

フィリア
「さすがルーティさん!金銭管理の腕は確かですね。」

ルーティ
「……。
……ふつう、もうちょっと興味示さない?」


チェルシーのひみつ

リオン
「爪竜連牙斬!」

スタン
「空牙昇竜脚!
チェルシー!とどめを頼む!」

チェルシー
「もう矢がありませーん!」

フィリア
「ここは私が!フィリアボム!」



リオン
「なぜとどめを刺さない?磨き込まれた矢が一本残ってるじゃないか!」

チェルシー
「これは戦闘用の矢じゃないんですぅ。」

スタン
「じゃあ、何の矢なんだい?」

チェルシー
「これはぁ、矢尻にベルべーヌの汁をかけて作ったおまじない用の矢ですよぉ。」

フィリア
「どんなおまじないなんですか?」

チェルシー
「えへ。内緒ですけど、この矢で好きな人を射つと想いが通じるんですぅ。
……ウッドロウさまぁ♪」

リオン
「死ぬぞ?」


スタンのひみつ

スタン
「髪がだいぶ伸びたなあ。リーネにいる時はいつもリリスが切ってくれてたからなぁ……。」

ルーティ
「髪くらい、あたしが切ってあげるわよ。」

スタン
「あ、ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って。切り始める前に、2、3注意点が……。」

ルーティ
「へぇ。いっちょまえに注文ってこと?何よ?」

スタン
「前髪は眉よりも短くしないでくれる?
横はうまくシャギーを入れて風になびかせる感じ。後ろは、
そうだな……これは……切りながら指示していくよ。」

ルーティ
「……フィリアー!」

フィリア
「なんでしょう?」

ルーティ
「選手交代!」



スタン
「……って感じに頼むよ。」

リオン
「ん?散髪してるのか?」

フィリア
「まだ切らせてもらえません。リオンさん……あとお願いします!」



スタン
「……とまあ、気をつけて欲しいところはこれくらいなんだけど、うまく切れそう?」

リオン
「うるさい!!おまえなど丸刈りで十分だ!」

スタン
「うわあっ!なんで!?」

ルーティ
「ったく、変なトコで細かいんだから!」

フィリア
「私、リリスさんを尊敬しますわ……。」


セルシウスのひみつ

キール
「……寒い……。」

ファラ
「んじゃ、またやろっか?
ダジャレでポーン!」

リッド
「げっ!もう勘弁してくれよ。」

ファラ
「イルカはいるか?
はい!次リッド!」

リッド
「え〜……。
ブタがぶった。
ほい、次キール。」

キール
「えと、えーと……。
クマはミンツでとうみんつ(冬眠中)−!」

リッド
「だからさむいって……。
つぅか、ホント寒いぞ。なんだ?」

ファラ
「セルシウスが怒ってるんじゃない?」

リッド
「ちっ、キールがつまんねぇダジャレ言うからだ!
どうすんだよ?」

セルシウス
「……ぷぷぷ。面白い。」

リッド
「おい・…・・・喜んでんのか!?」

ファラ
「大晶霊の感覚ってわかんないね。」

キール
「僕のダジャレは高度すぎて、セルシウスクラスじゃないと理解できないんだよ。」

セルシウス
「あはははははははは!」


チャットのひみつ

レイス
「チャット?なにを見てるんだい?」

リッド
「なんだ……自分の肖像画か。」

キール
「こうやって見ると、まさに男の子だな。」

チャット
「いきなり失礼な人達ですね!
これは、ボクの母親の肖像画です!」

キール
「あ……すまない。
でも……まったくよく似てる。」

リッド
「あぁ、そっくりだ。
チャットの母さんは今もこんな感じなのか?」

チャット
「まさか!ちゃんと大人になってますよ。
これが今の肖像画です。
どうかしました?」

リッド
「これ……本当にそっちの成長した姿なのか?」

チャット
「そうですけど?」

レイス
「おい、チャットは葡萄酒のような子だぞ。
ねかせておけば、すばらしいモノに……。
育ててみるか。」

リッド
「……。
レイスって時々怖いな。」

キール
「あぁ、怖い。」


アイラのひみつ

フォッグ
「おう!アレは?」

アイラ
「はい。もう準備できております。」

フォッグ
「アレはアレすんだぞ。」

アイラ
「えぇ。ぬかりはありません。」

フォッグ
「おぅ。じゃ、いよいよアレだな。」

アイラ
「はい!ミアキスを胸に!」

フォッグ
「ぐわははははは!」

リッド
「すげーなぁ!何言ってんのかぜんっぜんわからねぇよ。」

レイス
「たしかに、天然の暗号だ。」」

アイラ
「ふふ、みなさんも慣れればわかりますよ。」

レイス
「いつからシルエシカに?」

アイラ
「もう……4年になります。」

リッド
「初めてフォッグを見たときは驚いたろ?話も通じねぇし!」

アイラ
「いえ……私、ボスとは以前にも一度お会いしたことがありますので。」

リッド
「え、シルエシカに入る前とか!?どこで?」

アイラ
「……それは……。」

レイス
「リッド、行くぞ!」



リッド
「なんだよ、レイス!オレはアイラに質問して……」

レイス
「男と女にはいろいろあるのさ。
君にはまだわからないかな?」

リッド
「……悪かったな、ガキでよ……。」


メルディのひみつ

ファラ
「メルディのパラソルについてる人形がずっと気になってたんだけど……。」

リッド
「あぁ、このふにゃふにゃした人形な。メルディが自分で作ったんだろ?」

メルディ
「ううん、違うな。これが名前はコリン。
……アイメンのハミルトがくれたよ。」

ファラ
「そっか。ハミルトが……。」

メルディ
「きっとハミルト、メルディがこと、とても好きだったんだろなー。」

キール
「げほげほ!な、なに自分で言ってんだ!
これだから短絡的思考の人間は困る。
いいか?そうやって人の好意を愛情とはきちがえてばかりいるとそのうち……。」

メルディ
「メルディもな、ハミルトがこと好きだったから、大事につけてたな。
これからも、ハミルト忘れないようずっとつけとくよぉ。」

ファラ
「メルディはやさしいんだね。」

リッド
「残酷でもあるけどな。」

メルディ
「ん?」


リッドのひみつ

チャット
「リッドさんの腰のポシェットには何が入ってるんですか?」

リッド
「ん?いろいろ入ってるぜ。
ナイフだろ、ロープだろ、毛皮の切れ端に、忘れちゃいけない干し肉っと。」

レイス
「その赤いひもは?チョーカーか?」

リッド
「……あぁ、母さんの形見だ。
父さんとの約束でさ、将来、結婚を申し込む時に相手に渡せって……」

レイス
「へぇ、ロマンチックな約束だな。
で、なぜ持ち歩いているんだい?」

リッド
「そ、そりゃ……。」

チャット
「いつでもあげられるように、ですか?」

リッド
「な、な、なにが!?誰に?」

レイス
「しかしつねに一緒にいると逆になかなかきっかけがつかめないものだ。」

チャット
「大変ですね。」

レイス
「ふむ、がんばれよ。」

リッド
「だから何をだよ!?」


キールのひみつ

キール
「この剣を捨てたのはリッドか?」

リッド
「あぁ、そうだけど?」

キール
「まだ使える!ほら、仕舞っておけ!」

リッド
「だってコレもう刃がぼろぼろで……。」

キール
「研、げ、ば、つ、か、え、る!」

リッド
「……はい。」

キール
「それからこの野菜サラダをほとんど手つかずで捨てたのは……。」

チャット
「はい、ボクです!食べますよ!今すぐ!」

キール
「まったっく……。
よく捨てるなんて厚意が出来るもんだよ。
ぼくの物持ちの良さを少しは見習え!
今も愛用している「レオノア百科全書」は7歳の時に買ってもらったものだし、
クレーメルケイジのサックもあちこち修繕しながら4年ほど使っているし…。」

メルディ
「メルディがあげたドエニスの花も捨てずに押し花にしてくれてるしな♪」

リッド
「ほーぅ。」

チャット
「わざわざ押し花にしたんですか?」


クイッキーのひみつ

キール
「クイッキーはそもそも実験動物らしいな。」

クイッキー
「(んだよぅ)」

メルディ
「はいな。
ふつうポットラビッチヌスは実験に使われるよ。
でもたまに……レッドソティかけて食べる珍味愛好家もいるけどな。」

レイス
「ほう……珍味?」

クイッキー
「(ひぇーーーっ。そんな目でみないで!)」

メルディ
「あ、あのな!レイス!だけどクイッキーはきっとマズイよ!
爪も伸びっぱなしだし、耳の後ろが汚れてるしな。」

クイッキー
「(あ、そんなことまでバラさないで!)」

メルディ
「あと!よくオナラもするよー。
コレがとっても信じられないほど
臭いな!」

クイッキー
「(むごい!)」

キール
「……クイッキーが泣いてるぞ。」


ファラのひみつ

ファラ
「せいっ、はっ、飛燕連天脚!」

リッド
「ファラのヤツ、まーた修行してるぜ。」

フォッグ
「おぅ、ソレ邪魔じゃねぇのか?
ソレだよ。そのあのばっさばさしてる……。」

チャット
「スカートですね?」

フォッグ
「そう、ソレ!
俺さまが短くしてやるぞぅ。」

ファラ
「ちょっと勝手なこと言わないで!」
脚出すなんて、恥ずかしいよ。」

リッド
「んじゃ、ズボンにすりゃいいんじゃねぇか?オレのおさがりやろっか?」

ファラ
「やだぁ!ズボンなんて履いちゃったら恥じらいなくしそう……。」

リッド
「あっ、ファラ!左斜め後ろからキラービーが!」

ファラ
「さぁ、来い!
散華猛襲脚ーーーー!!」

チャット
「……恥じらいがあったらアレは出来ないと思いますがね。」


しんのしゅやく

クラース
「おーい!とっときの極意書を持ってきてやったぞぅ。」

キール
「なに?……「真の主役になる方法」?」

クラース
「そのとおり!私ふくめて君達みんなカッコイイ!
恐ろしく鈍いヤツ!寝起きの悪いヤツ!食い意地の張ったヤツ!
そんな困ったヤツらに主人公をまかせておくのは悔しいじゃないか!?」

キール
「た、たしかにそうだな。」

チェスター
「たまにはオレ達が主役になったっていいか……。」

リオン
「ふん、その方法とやらを聞こうじゃないか。」

クラース
「ではいくぞ。
方法その1。主人公は歌って踊れる芸人であるべし!」

キール
「げ、芸人?」

クラース
「方法その2。主人公は衣装に命をかけるべし!」

チェスター
「なんか偏ってねぇか?」

リオン
「おい!この本の著者は誰だ?」

クラース
「えーっと……。
ジョニー=シデンと書いてあるな。」

リオン
「やっぱり……。」


ヒロインナンバーワン

アーチェ
「あたし達はどーしてヒロインになれないんだろねー?
けっこうカワイイのにさー。」

フィリア
「料理の腕とか……。」

メルディ
「胸がちっさいとダメか?」

アーチェ
「じゃーねぇ、じゃーねぇ……言わしてもらいますけどねー!
トロすぎるのも問題アリだと思うしぃ、
喋り方が変なのもダメですよーだ!」

リリス
「みなさん、しょげちゃって……どうかしたんですか?」

アーチェ
「え?いやー、ヒロインの条件を考えてただけなんだけどね。
どーも話が妙な溝にはまりこんじゃって……。」

リリス
「ヒロインの条件?
あっはははは!そんなの簡単ですよ。」

アーチェ
「げ。あんた知ってんの!?」

リリス
「はい!私を見てください。ヒロインそのものじゃないですか。」

フィリア
「すごい自身ですね……。」

メルディ
「リリス、ヒロインか?」

アーチェ
「そんな気がしてくるからこわい!」


だれが大人?

チェルシー
「すずさんが11歳。
チャットさんが12歳……ってことは〜
わたしが一番お姉さんですぅ。ふふふん♪」

チャット
「お言葉を返すようですが……。
大人化どうかは、精神的な年齢によって測られるべきだと、ボクは思いますよ。」

チェルシー
「……チャ、チャットさんってひょっとしてすごぉく大人ですか?」

チャット
「まぁ、それほどでもありませんが。」

クイッキー
「(じゃーん、こんにちわ!!)」

チャット
「うわ、出た!
わあああああん!来るな〜!!」

チェルシー
「やっぱりまだまだ子供ですねぇ。ふふふん♪
すずさんも何か怖いモノあるんですか?」

すず
「いえ、ありません。
強いて言えば……男女の愛憎でしょうか。」

チェルシー
「ア、ア、ア、アイゾー!?って???」

すず
「こんなことや……あんなことです。」

チェルシー
「……す、すずさん、大人ですぅ!なんでそんなコト知ってるんですかぁ?」

すず
「忍者ですから。」

クイッキー
「(そりゃ、すごい!)」


ぼくたちのマイホーム

スタン
「うわー!広い場所だなぁ!」

クレス
「こういうところに家を建てたら気持ちいいだろうね。」

リッド
「オレはいつでも空が見られるように屋根を透明ガラスにしてぇなぁ。」

クレス
「僕は道場を併設したいな。空気のいい場所での修行は格別だからね。」

リッド
「げ!家に修行する場所作るのか?おまえ、変わってんのな。」

スタン
「俺はまず台所をきっちり整えるよ。美味しい料理を作れるようにしてやるんだ!」

リッド
「料理か……確かに大事だな。
……使いやすいように作ってやりてぇな。」

クレス
「結局、長くいる場所になるだろうしね。」

スタン
「へーえ?クレスもリッドも誰かと住む予定なんだ?」

クレス
「い、いや!別にすぐってわけじゃ……。」

リッド
「お、お、おまえこそ!誰と住むんだよ!?」

スタン
「あ、俺?
俺はじっちゃんとリリス!
いや〜、リリスがこれまた料理上手でさ〜。」

リッド
「……おまえ、すがすがしくていいな。」


わたしたちのヒーロー

ファラ
「スタンさんっていいね。なんかいつもやる気みなぎっててさ。」

ルーティ
「ありゃ単なる熱血バカよ。振り回されるこっちにとっちゃ迷惑なだけ。
少しはリッドの落ち着きを見習ってほしいわ。」

ファラ
「リッドは落ち着いてるんじゃなくて単にモノグサで腰が重いんだよね。
あーぁ……やっぱり隣の芝生は青く見えるものなのかなぁ?」

ルーティ
「ミントもそう?」

ミント
「あ、私は……みなさん素敵だと思いますが、
やはり……クレスさんが……。」

ルーティ
「ちょーっと待ったぁ!
あのダジャレ大魔神が一番ってわけ!?
ス、スタンだってわりといいヤツよ?純朴だし、底抜けやさしいし……。」

ファラ
「あ!やさしいのはリッドだよ!
ふだんはぶっきらぼうだけどさ
肝心な時はいつもちゃーんと見ててくれてそれに剣の腕はは天才的で……。」

ルーティ
「剣といえば、スタンなの!!」

ミント
「みなさん……やっぱり、自分の芝生が一番なんじゃありませんか。」


宴会の夜

フィリア
「男性陣がパーティーをひらいているそうです。」

ファラ
「へぇ!面白そう!!みんなで行ってみようよ!」

すず
「わたしは遠慮します。」

ファラ
「なんでぇ?」

すず
「……忍者のカンです。」

ファラ
「?変なの。じゃ、フィリアさん行こう!」

フィリア
「え、えぇ……。」



フォッグ
「おぅ!なぜおまえはアレなんだ!?」

クラース
「はあ?さっぱりわからんぞ。」

ファラ
「あ、あぁ、えーっと気にしないでください。フォッグには通訳がいないと……。」

フォッグ
「だ・か・ら!惚れた女と一緒にいながら結婚しねぇっていうのはアレだぞ、アレ。
男のワガママよ。」

クラース
「それは、私とミラルドの問題だ。
おまえには関係なかろう。」

フォッグ
「おーぅ?」

フィリア
「フォッグさん、人はさまざまな形態で愛をまっとうしようとなさいます。
女性のほうでも結婚とは別の暮らし方を望む方がいるかもしれません。」

クラース
「その通り!結婚だけがすべてだと思うなよ。」

フォッグ
「お……ぅ。」

ファラ
「わっ、めずらしい!フォッグが黙っちゃったよ。」

フォッグ
「たしかにそうかもな。結婚して終わりってわけにはな……。」

クラース
「お、おい!これはこれで気味悪いぞ。さっきまでの威勢はどうしたんだ?」

ファラ
「フォッグの奥さん、行方不明中なんだ……。」

フィリア
「本当ですか!?
そうとは知らずに私、差し出がましい意見を……。」

クラース
「おまえさんのせいじゃないさ。
……飲むか?」

フォッグ
「おぅ?……。
おぅ!飲み明かそうぜ。ぐわはははは!」

フィリア
「あの……私達は……。」

ファラ
「男同士で盛り上がってるみたいだから次のテーブルいこっか。」

フィリア
「はい……。」



ファラ
「どしたの?お通夜みたいだよ?」

リオン
「ふん!さっきまでジョニーにさんざん持ち歌を披露されて疲れたんだ。」

フィリア
「それで、ジョニーさんはどこに?」

キール
「もう部屋に戻った。夜更かしは喉に悪いそうだ。」

リオン
「寝ていた我々を叩き起こしておいて……まったく勝手なヤツだよ。」

ファラ
「いいじゃない。やっと落ち着いてふたりで話せるわけでしょ?」

リオン
「話の長いヤツとは喋りたくない。」

キール
「なんだと?ぼくはおまえの理解力に合わせて親切に説明してるだけだ!」

リオン
「僕がバカだと言いたいのか!」

キール
「お子様だと言ったんだ。」

リオン
「うるさい!この場で斬られたいか!」

キール
「わあぁ!」

ファラ
「ちょ、ちょーっと待って!待って!
待ちなさーい!!!なにケンカしてんの!」

キール
「元はと言えばアイツがふっかけてきたんだ。」

ファラ
「キール!最後まで買い取るコトの出来ないケンカを買うんじゃないの!」

リオン
「ふん!学士だか何だか知らないがアイツのへ理屈には飽き飽きする!」

ファラ
「こら!口ゲンカに剣を持ち出すなんて卑怯でしょ!
ふたりともわかった?」

リオン
「ふん。」

キール
「あぁ。」

フィリア
「ファラさん、すごい……。
あっという間にあのリオンさんを!」

ファラ
「はぁ〜、疲れた。男の子ってケンカばっかり!
このテーブルにいても疲れるだけだよ。次いこ、次!」

フィリア
「仰せのままに!」



リッド
「ま、ま、食え、食え!」

チェスター
「うめぇな、コレ。」

リッド
「だろ?な?最高だろ?」

フィリア
「ここは友好的ですね。」

ファラ
「やっと落ち着けるかな……?」

リッド
「なぁ、弓でする狩りってどんなモンなんだ?」

チェスター
「弓はいいぜ。
狙いをすましている時の静けさとか
風が耳元でうなる時のぞくぞくした感じとか……。」

リッド
「うわ、いいなぁー!オレも使ってみてぇ!!」

チェスター
「狩り以外にもいろいろ重宝してるんだ。
たとえば……マイク代わりにするとか」

リッド
「マイク?おまえ、歌うのか?」

チェスター
「あぁ。気持ちいいぜ。狩りの帰り道とかに大声で……。」

ファラ
「やな予感!」

リッド
「オレもひとりだったら歌うぜ!
いいよなぁ、歌は。ラララッラ〜♪」

フィリア
「ひぃっ!」

チェスター
「おっ、いい声だな。
ララララララ〜♪」

ファラ
「ひょっとしてチェスターさんも音痴!?
フィリアさん、耳ふさいで!!」

フィリア
「はい!!」



すず
「どうでした?」

ファラ
「もう疲れちゃった……。」

フィリア
「忍者のカンはすごいですね。」

すず
「えぇ。またの名を女のカンと言うんです。」


パジャマタイム

チャット
「すずさん もう眠ってしまったのですか?」

すず
「すぅすぅ……。」

チャット
「……まったく。子供は困りますね。
夜はこれからだというのに。
……他の部屋はどうなってるんでしょう?」



ファラ
「あ、チャットも来た!」

チャット
「すずさんが寝てしまったんで……おじゃまですか?」

ミント
「まさか!」

フィリア
「私も自分の部屋から遊びに来てるんですよ。」

ファラ
「そんなことより、さっきの話のつづき!
ね、ミントさん!聞かせてよ。」

ミント
「あ、あぁ、えっと……著名な恋愛小説家
ボロボワ・シャムダールの意見によると
特殊な状況下で生まれた恋は長続きしないそうです。」

ファラ
「特殊な状況って?」

チャット
「冒険とかじゃないですか?」

フィリア
「あ、あながちそうとも言い切れないのでは?」

ミント
「平穏の日々が戻ると、何もかもが退屈になり相手の長所すら見えなくなってしまうとか。」

ファラ
「そ、そんなことないでしょ。……ねぇ?」

ミント
「私もこの意見に対しては反論を唱えたいですわ。
極限状況で育まれた愛に賞味期限はないと!」

ファラ
「そーだー!そーだー!」

フィリア
「そーだー!そーだー!」

チャット
「???
なんかこの雰囲気、違います……。」



メルディ
「チャット!お鼻良いなー!
ちょうど出来たトコよー。」

チャット
「何やってるんですか?」

アーチェ
「パンパカパーン!アーチェとメルディの」

メルディ
「真夜中のお料理大会だな!」

アーチェ
「あんた、ツイてるじゃん。あたし達の手料理を食べられるなんて……。」

メルディ
「チャット、喜んでるか?」

チャット
「いやボク……あまりお腹空いてない……。」

アーチェ
「なによー。アーチェ様の作ったものが食べられないっての?」

チャット
「いえ、あの……メルディさん!?」

メルディ
「はいな♪じゃまずはー
メルディ特性やみなべからどーぞー。」

チャット
「……。
おぇー。この味何ですか?」

メルディ
「ケーキ入れてみたよ♪ダメか?」

チャット
「ダメー!!!」

アーチェ
「じゃ次、あたしのも食べなさーい!チーズバーガーだよ。好きでしょ?」

チャット
「こ、このどろどろした物体は?」

アーチェ
「こんぶ。栄養あるらしいから挟んでみた。
さ、食べて食べて。」

チャット
「……うげ……アーチェさん的にはコレが美味かったんですか?」

アーチェ
「ううん、まだ食べてないよ。毒見は怖いじゃん。」

チャット
「ボクだって怖いですよ!失礼します!!」



ルーティ
「えーっと……これは特売で3割引き、と。」

チャット
「ルーティさん?」

ルーティ
「あの時、手元には300ガルドあったから。」

チャット
「ルーティさん……暗がりでいったい何を?」

ルーティ
「うっさい!」

チャット
「ひっ!」

ルーティ
「600引く……えーっとなんだっけ?
あーもう!
あんたが口挟むからわかんなくなっちゃった!」

チャット
「す、すみません。でも何してたんですか?」

ルーティ
「お金の計算に決まってるでしょーが!収入以上の支出をしてたら、身の破滅よ。」

チャット
「は、はぁ……ご立派ですね。」

ルーティ
「そう思う?んじゃ、あんたも手伝いなさい。
願いましては5ガルドなーり8ガルドなーり。」

チャット
「あ、あの、ボク、暗算苦手で……。」

ルーティ
「逃がさないわよぉ。ホラさっさと計算する!
あたしが徹底的に鍛えてあげるわ!」

チャット
「ひぃぃぃぃぃ!」



チャット
「死ぬかと思った……。
もうダメだ……おやすみなさい。
ぎゃああああ!」

すず
「どうしました?」

チャット
「ボ、ボクのベッドになんかべとべとした緑色の物体が!!」

すず
「大がまです。」

チャット
「お・お・が・まーーーっ!?」

すず
「わたしの古い知り合いです。ベッドが空いていたので休ませました。」

チャット
「こ、困る!ボクのそばに近寄らせないで。動物は苦手なんだってば!!」

すず
「そうなんですか?」

チャット
「決まってるだろー!」

すず
「では後ろにいるソレは?」

チャット
「え?」

クイッキー
「クイッキー!!」

チャット
「いやー!ボクを寝かせて〜!!」


ウィス決定戦

アーチェ
「はぁい!みなさんお待たせいたしました!テイルズ杯争奪ウィス決定戦でぇっす!
各組の様子はこのアーチェさんがしっかり中継しちゃうからお聞き逃しなく〜♪
えーと、まずはクレス・ルーティ組からね。」



クレス
「えーと、えーっと……どうしようかな?」

ルーティ
「まだぁ?」

クレス
「え?あの、もうちょっと……。」

ルーティ
「ったく、何をそんなに悩んでんの?ほら、これでいいじゃない。はい出して!」

クレス
「あ、それは……。」

アーチェ
「おっとぉ!ルーティがいきなりダブルのカードを出しましたぁ!」

クレス
「ルーティさん……もったいないよ。
ダブルカード出しちゃうなんて。」

ルーティ
「何よ?ダブルカードって?」

クレス
「……ダブルカードは同じ属性のカードをもう1枚出したい時に使うんだ。
むやみと出すのはもったいない……。」

ルーティ
「まあまあ、いいじゃない。たかが遊びでしょ?」

アーチェ
「そーそー、遊びだよ!優勝商品には
レンズ100枚用意してあるけどね!」

ルーティ
「ぬぁんですってぇ!?
ちょっとクレス!本気でいくわよ!」

クレス
「僕はずっと本気だったけど……。」

アーチェ
「クレスはミントのありがたさを実感している模様でぇっす!」



アーチェ
「あっちゃあ……この組み合わせですか!
なんかめんどくさそー。」

キール
「だから違う!
ぼくの理論からいけばここは属性を変えるべきなんだ!」

クラース
「おいおい、無茶言うなよ?
ここで攻撃しなくてどうする!?」

キール
「そういうのを浅知恵の勇み足って言うんだ。」

クラース
「ほぅ?では、おまえさんみたいなのはさしずめサル知恵の尻込みか?
ははははは!」

キール
「う、うるさい、うるさーい!
属性変えのカードを出すからな!」

クラース
「おいおい、自棄になるなよ。それでも学者か?」

キール
「なんだってぇ〜!?」

アーチェ
「あ〜、もみ合いになっております!
が!
やっぱりチカラじゃクラースの楽勝だねぇ。」

キール
「腕力にモノを言わせるなんて!そっちこそ学問に身をおく者の風上にもおけないぞ!」

クラース
「目には目を、歯には歯を、暴力には暴力を、だろう?」

キール
「くっそぅ!」

アーチェ
「おおっと乱闘です。乱闘〜♪
っていうか、タイムリミット。クラース・キール組は1回やすみぃ。」

クラース
「へ?」

キール
「そんなぁ!」



ファラ
「どれ出そっか?」

リオン
「ふん、勝手にしろ。」

ファラ
「あらら、ご機嫌ななめ?」

リオン
「人を子供扱いするな!」

ファラ
「ごめん、ごめん。で、どうしよっか?」

リオン
「だから!おまえが決めろ。」

ファラ
「やだ!せっかくふたりで組んでるんだし相談しようよ。」

リオン
「ふん、単なる遊びだろ。くだらんな。」

ファラ
「遊びでも勝てたら嬉しいじゃない?ね?がんばろうよ。」

リオン
「……ふ、ふん……。
プリズムのカードでも出せばいいだろ。」

ファラ
「わかった。じゃ、コレ出しまーす。
イケる、イケる!ね?」

リオン
「あ、あぁ……。」

アーチェ
「あらら?意外とうまくいってんじゃん。……ちぇっ、つまんないのぉ。
大体リオンって、マリアンとかファラとか
母性本能まるだしのタイプに弱すぎだね!」



アーチェ
「一方こちらは……っと、うしゃしゃしゃ!
でっかいのとちっこいのが並んでますね。」

フォッグ
「おーぅ?さっぱりわからねぇなぁ!なんでこのカードはダメなんだ?」

すず
「ですから……こちらが水属性。
あそこに出ているのは火属性。
属性の違うカードは出せないんです。」

フォッグ
「おぅ!水と火か!!そりゃたしかにアレだ!」

すず
「はい!ちがいますよね?」

フォッグ
「おぅ!
……で、どっちのカードが火だ?」

すず
「…………。」

アーチェ
「あはははは!すずちゃん、大ピーンチ!
まさに忍ぶ者と書いて忍者!忍耐力が試されてまぁっす!!」

フォッグ
「おぅ、ま、いっか。俺さまがテキトーに出しとくぜぃ!」

アーチェ
「でっかいのがおもむろに出したカードは……おおおおおっ!?
ダブルのカードです!
惜しげなく出したのには何か作戦があるのでしょうか?あるはずなーい!」

すず
「あ、じゃあコレを。」

フォッグ
「おぅよ!」

アーチェ
「すかさず攻撃カード!いい感じぃ。
……攻撃がまわってぇ……あ!
クラース・キール組、大打撃!!」

すず
「またわたし達の番が来ましたよ。」

フォッグ
「お、そうか?ほいよ。」

アーチェ
「チェンジです!チェンジで流れを変えました!!」

すず
「……あ。」

フォッグ
「おぅ、ピンチか?」

すず
「いえ……ウィスです!!」

アーチェ
「フォッグ・すず組、王手でぇっす!!」



アーチェ
「さてさて、気になる勝敗の結果は?
なんと、フォッグ・すず組の圧勝でした!
え?ビリはどこだって?んなの、決まってんじゃん!」

キール
「おまえのせいだぞ!」

クラース
「はいはい。」

キール
「ぼくの理論通りならぜったい勝ってた。」

クラース
「そうだな。」

キール
「おまえ、ぼくをバカにしてるだろ!?」

クラース
「いーや。」

アーチェ
「……うしゃしゃしゃ。
そいじゃ、まったねぇ!」


街角にて


「ちょっといいっすかぁ?」

スタン
「はいはい?」


「あ〜あ〜ずいぶんお肌荒れちゃってますねぇ。」

スタン
「そ、そうか?」


「若いから、男だからって安心してちゃダメですよ〜。」
このままいくと10年後には……。」

リッド
「何つかまってんだよ!」

スタン
「あぁ、リッド!どうしよ!?俺の肌、10年後にはボロボロだって!」

リッド
「真に受けるなよ!これはキャッチセールといってだな……。」


「さぁ!あなたもダンディな男に変身しませんか?
今ならこのベアの干し肉3ヵ月分がもれなく……。

リッド
「肉がついてくんのか?あっそ。へぇ!3ヵ月分……。」

クレス
「おい、だいじょうぶかい?」

スタン
「これ買っておこうぜ、「ダンディセット」!身だしなみは大事だろ?」

リッド
「今なら肉がついてくんだってよ!肉が!」

クレス
「落ち着けって、2人とも。
いいかい?冒険中、こんな道具を使っている余裕はないだろう?」

スタン
「そ、そりゃまぁ……たしかに。」

クレス
「それに、これを買うお金があったら上等な肉が山ほど買えるよ?」

リッド
「そっか……あぶねぇあぶねぇ。つい勢いで……。」

クレス
「というわけなんで、悪いけど僕達は……。」


「だんなぁ〜!!!俺にはもうじき2歳になる娘が……。
これを売らないことにはアイツのおまんまが買えねぇんだよぉ!」

クレス
「娘さんが……?」



リオン
「ふん、くだらんな!そんな泣き落としにダマされてこの……。」

スタン
「「ダンディセット」!」

リオン
「を買ってしまうとは……情けないぞ!」

クレス
「すみません……。」

スタン
「すみません……。」

リッド
「すみません……。」



チェルシー
「ってことで、リオンさんが代表して商品を突き返しにいってるそうです。」

ファラ
「へぇ……大変だね。」

チェルシー
「まったくですよねぇ。
ま、都会はこのように怖い場所なんです。
わたし達女の子にとってはさらに危険が……あれ?フィリアさんは?」

ファラ
「ん?さっきまでいたのにな。」

チェルシー
「あっ、あそこ!大変ですぅ!」




「学生さん?」

フィリア
「いえ、あの、私、神殿のほうに……。」


「あ。じゃあ社会人かな?」

チェルシー
「ちょっと待つですぅー!!」


「ねぇねぇ彼女ってばぁ!」

フィリア
「いえ、ですから私は……。」

ファラ
「散華猛襲脚ーーーっ!」


「まいりましたー!」

チェルシー
「ファラさん、強いですぅ。」

ファラ
「ん、イケる、イケる
フィリアさん、怪我はない?」

フィリア
「はい。……どちらかというと、
あちらの怪我が心配です……。」

ファラ
「あは、あはははは!またまたぁ!フィリアさんったら冗談ばっかり!」




「ねぇねぇ彼女、学生さん?かわいいね。ちょっと時間ないかなぁ〜?」

メルディ
「時間か?」

チェルシー
「は!いけない!!メルディさんとルーティさんが都会の毒牙にぃ!」

ルーティ
「時は金なりってことわざ知ってる?」


「は?」

ルーティ
「あたし達の足を止めさせたいなら、それなりの金額を用意してもらわないと。」


「金、ですか……?」

ルーティ
「そう、金よ!どうなの?」


「えっとあいにく……っていうか俺が欲しいくらいで……。」

メルディ
「ダメ!話になんない!メルディ、行くよ!」

メルディ
「は、はいな!」

チェルシー
「ルーティさん、強いですぅ。」

アーチェ
「おっと、ごめんね。
じゃじゃーん!アーチェさん登場!」


「……あ、ども。」

アーチェ
「なによ?あたしに用はないわけ?」


「い、いや、用ってほどの用は……。」

アーチェ
「むぅ〜。せっかく来てやったのにぃ!」


「あ、じゃあ……ねぇねぇ彼女、学生さん?」

アーチェ
「ちがうよー。」


「あ、なら、社会人だ。かわいいねぇ。ちょっと時間あるかな?」

アーチェ
「時間?あるあるあるー!
だからもっと言って!」


「は?」

アーチェ
「かわいいってもっともっと言って!ぐふふふー。」


「今日は……日が悪ぃや。」

アーチェ
「あ!なんでいっちゃうのー?」

チェルシー
「アーチェさんあらゆる意味で強いですぅ……。」



チェルシー
「リオンさん、聞いてくださいよ!
女の子達はみんな強くって……。
ん?何か隠してませんか?」

リオン
「べ、べつに。」

チェルシー
「……怪しいですぅ!」

リオン
「わっ!貴様、何をする!」

チェルシー
「なんだコレ?
「10日間であなたも見違えるほどイイ男」
「男の魅力を最大限に引き出すダンディセット」……ん?
リオンさんコレ返してきたんじゃ……?」

リオン
「たしかに返したぞ!しかしだな身だしなみは男の礼儀として……。」

チェルシー
「また、買わされちゃったんですね?
……案外リオンさんってカワイイですぅ。」

リオン
「うるさい!」


レストラン

リッド
「はぁ〜、食った、食った!」

チャット
「美味しかったですね。」

レイス
「それなりに値段の張るものばかりだからな。」

ルーティ
「ちょっと失礼。」

おばさん
「会計お願いしますね。」

レイス
「ふむ、どれどれ……?」
う。」

リッド
「どうしたんだよ?
……うわ、高ぇ!」

チャット
「4人で割るといくらですか?えぇと、えぇと……。」

レイス
「ひとりにつき4123.3333……。ガルドだ。」

チャット
「暗算早いですね!」

リッド
「根っからの商人だからな。
んじゃ、みんな4120ガルドずつな。」

レイス
「違うぞ、リッド。4123.3333……ガルドだ。」

リッド
「いいんだよ、端数は切捨てで。」

チャット
「リッドさん、男らしいですね!」

レイス
「違うぞ、チャット。私は何もケチで言ってるんじゃない。
1ガルドに笑う者は1ガルドに泣くという古い商人のことわざがあってだな……。」

リッド
「……へいへい、わかったよ。んじゃ、4123ガルドずつな。
どした?ふたりとも……。」

チャット
「すみません。今ちょうど手持ちが……。」

レイス
「まいった、まいった。私も全然足らんぞ。」

リッド
「おい、マジかよ!?仕方ねぇな……先に外出ててくれ。」

チャット
「申し訳ないです。」

レイス
「恩にきるよ。」

リッド
「あ、ルーティ!ちょうど良かった。
みんなの支払いが……。」

ルーティ
「あー!ちょっとどいてどいてぇ!アーチェが酔っぱらっちゃって大変なのぉ!」

アーチェ
「う〜ん、う〜ん……。」

リッド
「いやいや、それはそれで、あのお金……。」

ルーティ
「アンタ、酔ってる友達を放っておける?あたしには出来ない!出来ないわ!!
お金より何より、まずは人命救助!そう思わない!?」

リッド
「え?あ、あぁ。まぁ……。」

ルーティ
「だったらどいてちょーだい!!
はーはいはい、道あけてねぇ。」

リッド
「え?ちょっと?」

ルーティ
「あっ、ごめんごめん、忘れてた!」

リッド
「ルーティ……。」

ルーティ
「はいコレ!
アーチェの分の伝票。ついでに払っといで。」

リッド
「なっ!おい!聞いてねぇぞー!!
……ダマされたか、オレ?」

フォッグ
「おぅ、肩落ちてんぞ。どした?」

リッド
「ど〜してもこ〜したも……、オレ、金が……。」

フォッグ
「おぅ?金がないのか?
ぐわはははは!任せとけぃ!ちょうど俺さま達も会計するトコよ。
みんないっぺんに面倒みてやるぜ!」

リッド
「ホントか?さすがリーダー!!」

フォッグ
「おぅ!
……おぅ?」

メルディ
「お金ないのか?」

フォッグ
「おぅ?そ、そんなハズは……。」

フィリア
「あ!フォッグさん、さきほど、私といっしょに通りすがりの老人に施しを……。」

リッド
「施しって……?」

メルディ
「フォッグもフィリアも有り金ぜーんぶあげちゃったな♪」

リッド
「そんなあ!
じゃあ、これ……この全員分、オレとメルディで払うのか!?」

メルディ
「ウワエムムイティスプンエク!(※私、喋れません)
リッドが言葉ぜーんぜん!分からんな!」

リッド
「あ、ずりぃ!」



リッド
「みんな、ひでぇよ……。」

おばさん
「ほら、泣いてないで皿洗う!タダ食いは許さないよ!」

リッド
「なんでこうなるんだーーーー!」